経営改革~大阪・神戸の経営参謀はイズミ行政書士・中小企業診断士事務所

 

2009-04-18 22:08:32
ロックな経営 ― セムラーイズム
10年近く前に、東大出身、シカゴ大学MBAの当時の上司が「面白いから」とくれた、にもかかわらず、一度も開くことなく本棚の片隅で眠り続けていた本を、今回初めて手に取りました。
リカルド・セムラー著「セムラーイズム(The Success Story Behind the World’s Most Unusual Workplace)」。ブラジルの機械メーカーであるセムコ社2代目オーナー社長の著者が、不安定な経済状況の中でサバイバルし、会社を発展させる過程を、ユーモア溢れる筆致で描いた本です。
セムラーは、警備員から幹部まで従業員全員を「大人」として信頼し、情報を公開し、会社の経営を民主化していく。 出勤時間、給与額を従業員自らが決定し、部下はボスの成績をつける。秘書は社長のセムラーにダメ出しし、社長は自己変革を迫られる。従業員が決めた従業員への利益配分も、オーナー社長セムラーは「ひどく多い」と感じながら、「これでいい」と自分に言い聞かせる。
最後には、セムラーは、社長自体が不要ということで、幹部数名による共同経営体制を取り、セムラーの死後に子孫が勝手なことができないよう、自分が持つ株式を財団に提供し、セムコ社をセムラー一族から完全に切り離してしまう。
セムラーの変革は徹底し、一切の例外を認めない。当然、例外を認めないことで、様々なトラブルやリスクは発生する。しかし絶対にルールを曲げず、従業員の大人としての良識を信じ、そして、忍耐強く待つのである。
人を信じて、変化を待ち続ける。経営者の皆様なら、あれこれ言いたくなることをグッと押さえて、従業員を信じて任せる、ということがいかに困難か、お分かりになると思います。特に自分の財布を直撃してしまうような場合においては...
セムラーは高校時代、ロックに熱中したという。また、セムラーは「反骨」を持つ人を見出し、改革の先頭に立たせる。
要するに、セムラーは筋金入りの「ロックンローラー」だったのだ。ロックンローラーの熱い思いが周囲に伝染し、従業員ひとりひとりが自らの思いをぶつけ始め、それが大きなうねりとなって、新しい会社の姿を自分達で創造していく。
一種の青春ドラマのような、おとぎ話のような、そんな経営の書でした。
そういえば、最近ロックを聞かない。久しぶりにブルーハーツでも聞いてみるか!

 

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