日本の希望について~神戸市の経営相談はイズミ経営コンサルティングへ

 

2009-04-13 00:30:09
希望について ―村上龍著「希望の国のエクソダス」―
2000年に出版された村上龍著の「希望の国のエクソダス」は、2001年6月~2008年9月に時代設定した近未来小説です。それまで村上龍を一度も読んだことがなかったのですが、この小説の時代設定の最後に当たる2008年夏に、なぜか手にとりました。そして、リーマンが破綻しました。
「この国には何でもある。だが希望だけがない」。日本全国で学校を捨てた80万人の中学生の代表ポンちゃんは、仲間と共にネットビジネスで巨万の富を蓄積し、世界中に情報網を張り巡らせていく。そんな中で、平和ボケした日本は、国際金融資本のアタックを受け、国富があっという間に食い尽くされてしまう。そして、ポンちゃん達は、自分達の国を作るために北海道に移住する。
この本は不思議なタイトルになっています。「エクソダス」(EXODUS)は、レゲエのボブ・マーレイの有名な曲で、「脱出」の意味です。手元にあるアイランド・レコードのCDアルバム「バビロン バイ バス(BABYLONBY BUS)」の山本安見氏の翻訳を抜粋すると
(QUOTE)
エクシダス!JAHピープルの出発
エクシダス!JAHピープルの闘争
おまえがJAHの真実の光に目覚めた時、権力者どもはおまえを迫害するだろう。
だがいいか、聞いてくれ。もしおまえが間違っていないのならすべては報われるのだ。だから俺たちは歩いていく、この創造の道を。たとえどんな犠牲を払っても苦難に乗り越えるために俺たちは生まれてきたんだ
エクシダス!JAHピープルの出発
エクシダス!JAHピープルの闘争
目を開け!自分の内側をよく見るんだ。
おまえは自分の生きている人生に満足しているか?
俺たちは自分たちがどこを目指しているかも知ってるし、
どこから来たのかも知っている。
バビロンを後にして父なる国へと向かうんだ
(UNQUOTE)
「エクソダス」が「脱出」を意味する以上、「希望の国へのエクソダス」であれば、「希望の国」は北海道であり、「北海道への脱出」という理解で、わかりやすい。しかし、村上龍は「へ」を抜いています。
ポンちゃんに、「この国には希望だけがない」と語らせています。だが、村上龍は、否応無く迫ってくる危険から目を背け、既存の秩序や既得権益にしがみつき、まやかしの「安定」の中で生きることの虚しさに対し、反旗を翻し、新しい日本を作っていかなければならない、つまり「日本は希望の国である」というメッセージをタイトルに込めたのではないか。
この小説の最後で、主人公であるフリーの記者は、長く一緒に暮らしてきて女性と結婚し、子供を作ります。希望と未来のために!

 

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