日本の財政赤字が1000兆円に達し、日本の財政破産のリスクが高まっている。ケインズ経済学的にいうと、日本は政府が借金して自ら需要(消費)を増やすことで、日本の国民所得(GDP)を増やし、日本の豊かさを下支えしてきた。つまり、日本政府が身の丈を超えて借金し、その借金で「偽りの豊かさ」を先取りしてきたのだ。いったん豊かさを経験すると、国民は生活レベルを簡単に落とせないため、予算を削減することが困難となり、借金を減らすどころか増やすことで、生活レベルを維持することなってしまう。
しかし、「偽りの豊かさ」ももはや限界に達している。国家として日本経済を下支えできる余力が乏しくなってきたため、実力どおりの日本の姿になってきている。その結果、借金で得た豊かさが公共工事減少と共に消え、借金返済のために増税・社会保険料増となり、その結果、先行き不安と貧困の拡大で出生率が低下し、人口が減っていく。しかし、もともと、日本全体での豊かさ、人口が、「過剰」で「異常」であっただけだ。普通に考えても、資源も何もない日本で、ここまでの繁栄は「無理」があったのではないだろうか。
なぜこんなことを考えるかというと、今の日本を見ていると、借金に苦しむ会社と全く同じだからだ。借金で赤字を埋め合わせるということは、借金で経営者・社員は生活していることに他ならない。そこから抜け出すためには、事業を黒字化しなければならないが、赤字から黒字へ転換すること自体が極めて困難であるばかりか、非常な「痛み」も伴ってしまう。結局、「痛み」を避け続けると、今の日本のように、さらなる深みへとはまってしまう。
「無理」は続かない。企業経営は継続を旨とすべし。つまり、毎日真剣に「無理のない経営」を続けることこそが重要なのだ。