事業承継計画・後継者育成・創業者の教え(大阪・神戸・京都・京阪神)

 

2009-10-19 00:19:45
「好き」を引き継ぐには (事業承継)
今回は、久しぶりに、経営っぽい内容です。
最近、2代目・3代目経営者からの相談など、事業承継を考えることがよくあり、心の中にひとつの疑問があった。
創業者は、商品や商売そのものが「大大大好き」だ。それこそ「愛している」と言っても過言ではない。中小企業では、社長が、商品や商売が好きで、自分の作り上げた会社を愛し、現場で自ら労をいとわずに率先して仕事を進める姿や熱意が、従業員を引っ張っていく。自分の大切な会社だから、自分で掃除をする。こんな社長のいる企業は強い。つまり、社長に「好き」がなければ、企業全体に勢いが生まれてこないのだ。
しかし、2代目経営者は、創業者ほど商品や商売そのものに愛着がある訳ではない。つまり、「好き」という思いは、2代目以降、次第に弱くなっていくのが普通であり、実際に頼りない2代目が多い。それでは、企業を継続し、従業員を守るために、2代目に「好き」をどのように引き継いでいくのか?
先日、最近テレビなどでも取り上げられている関西の中小企業の会長と話す機会があり、直接、この疑問をぶつけてみた。会長は、すこし前に息子さんに事業を引き継いだところであり、次のような話をしてくださった。
*商品や商売が好きだから、子供が事業を引き継ぐということではない。家業を守っていく義務感で事業を引き継ぐのだ。その義務感は、近江商人の家訓とまではいかないが、家庭での日頃の父親の姿や言葉から自然に生まれてくる。父親が帰ってくるのが遅いのは、酒を飲みにいっているからか、仕事なのか。子供は親のことをよく見ているものだ。
*義務感から家業に入っても、やはり商品や商売が好きになるように、まずは生産から入ってモノづくりの喜びを知り、その後営業に回して、お客様とお付き合いすることの楽しさを学ばせた。また3年間言葉の通じない海外留学をさせることで、みなさんに支えられて生きていることを感じてもらった。
実際に、息子さんは商品・商売を愛し、新しいことにチャレンジしているとのこと。
Noblesse Oblige (ノブレス・オブリージュ)。経営者には、会社だけではなく、家庭でも、「高貴な義務」が要求されるということだ。

 

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