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日本と欧米のものづくり思想の違い

車に詳しい経営者から「外国車はよく壊れるけど、もともと壊れるものだという前提で設計されているので、部品を取り替えれば世代を超えて乗れるが、日本の車は壊れないことを前提にしているので、一旦壊れると、部品交換くらいではきかず、エンジン丸ごと取り替えるしかなくなる」という話を伺った。

前職で米国進出する初期に困ったことは、日米のモノづくりのそもそもの思想の違いであった。アメリカは、モノを作る際にプロセスを重視し、どんな小さな不具合でも、決まった手順に従って処理し、記録を徹底するのに対し、当社は、小さな不具合であれば、現場でチョコチョコっと直してしまい、それが表に出てこない、ということが発生したのだ。現場では、「今までこうやっていたし、それの方が早いし、些細なことだから問題ないだろう」ということであろうが、アメリカのお客は絶対に許してくれなかった。

日本の「ミスや失敗はしてはいけないし、恥ずかしい」という精神論に対し、欧米は「人間はミスや失敗をするものである」という極めて合理的な思想が根底にあるものと思われる。したがって、欧米では誰がやっても大丈夫なように「標準化」が進んだのに対し、日本では相変わらず職人技や精巧緻密な設計といった、一部の特別な人に依存するモノづくりが重視されている。

原子力でも同じではないだろうか。「原発は絶対に事故は許されない」というのは、精神論では正しいが、「人間の作ったものに、絶対はありえない」という合理的な考え方を徹底していれば、今建っている原発の中には、地震などの関係で、別の立地にすべきであったものも存在するのではないだろうか?

論理ではなく、情緒や人間関係で極めて重大なことを決めてしまうのは、第二次大戦の日本軍部のころから、実は何も替わっていないのかもしれない。裏返せば、「日本のよさ」というところもないではないが、「日本のよさ」を発揮して効果のある場合と、逆に働く場合がある。合理性と精神的な「日本のよさ」をうまく使い分けるには、やはり「合理的な判断」が必要ではないのだろうか。

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