TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のドタバタを、経営コンサルタントの視点で見てみると、「大企業依存型下請企業の成行経営」の典型である。「大企業依存型下請経営」は、仕事があるうちは安定して楽であるが、大企業から見捨てられると仕事がゼロ。知り合いの経営者にも、大企業が事業を海外に移した瞬間、売上がゼロになり、そこから這い上がってきた方がいますが、大企業にとって下請を切ることなど、それこそタバコを捨てる程度の話でしかないのだ。捨てられないために、技術・商品・設備などを磨き上げていったとしても、大企業の戦略が変わればそれでポイ。でも楽だし、将来への不安を見て見ぬふりをしながら、根拠のない楽観論にしがみつき、「そのとき」まで手を打たない。成行任せで、意志がないのだ。
誰もしんどくて痛い思いなどしたくない。しかし、敢えて厳しい道を選び、かつ納得させるのが、リーダーシップというものだ。とはいえ、現在のナントカ首相は、リーダーとしての意志や戦略・ビジョンを語らず、しかも体を張って国益を守るためのギリギリのネゴも放棄し、本当に安易な成行まかせで意思決定しようとしている。安易すぎる。
評論家になっても仕方ない。私も安易な方向ではなく、険しいが、未来が開ける道を歩んでいかなければ、と改めて考えさせられた。